イラストを仕事にする

未経験でイラストレーターになるためにポートフォリオに載せるべきイラスト

サムネイル-ポートフォリオ採用率UP

くろつき。
くろつき。
元:ブラック企業の事務職員⇒現:本業イラストレーターのくろつき。です。

いぬし。
いぬし。
ポートフォリオにはどんなイラスト載せればいいの?

今回は、

  • ポートフォリオにはどんなイラストがあると有利なの?
  • ずばり採用率を上げるには、どうすればいいの?

という疑問・悩みを解決する記事を用意しました。
結論から言うと、『現場の需要を意識して、多くの絵柄を備えたポートフォリオ』を用意することです。

理由は、2つ。

  1. 現場では多種多様なイラストが求められているから
  2. 採用活動とは、会社に合ったイラストを描ける人を探すための活動だから


採用試験や営業は個展ではありません。
既に多くの商業実績や
一線級の技術を持ている場合は問題ありませんが、未経験でイラストレーターを目指す場合は、提出先が求める絵を描けることを示すことが勝利の秘訣。

実際に僕は、上記を意識したポートフォリオを作ってから選考通過率が一気に伸びました。
(未経験・中途で計5社からイラストレーター職の内定を頂けました。)

こんな方におすすめ

  • ゲームのイラストレーターになりたい人
  • これから未経験でゲームのイラストレーターを目指す人
  • 現在ポートフォリオ作りに悩んでいる人

本記事の内容

  • 採用されるポートフォリオの特徴
  • 載せると有利なイラストのジャンル
  • 現場目線から逆算した採用されるポートフォリオ

今回の記事では、僕が当時使っていたポートフォリオと、『今もし0から作るとしたらこう作る』という実例とかも出しながら解説します。

◆◆◆◆◆

Twitterでもイラストの解説・メイキングを呟いたり、イラストやポートフォリオに関する質問・相談などを受け付けてます!もしよければ覗いてやってください~くろつきTwitterプロフィール

くろつき。
くろつき。
それでは本編スタートです!

採用されるポートフォリオの特徴は5つ

まずは前提・原則の話。
そもそも『採用されるポートフォリオ』とはどんなものか?という特徴についてです。

簡単に言うと、『たちつてと』の法則を意識して作られたポートフォリオのことです。

『たちつてと』の法則

  •  短時間で読める
      (⇒
    ページ数、作品数)

  •  違いが明確に伝わる
      (⇒ 企業への志望度)

  •  作りたいものが見える
        (⇒ 得意分野や熱意、将来性)

  •  手に取りやすい

  •  整っている
     (
    ⇒ 形式やレイアウト)

簡単に説明すると、

『た』:短時間で読める
選考では多くのポートフォリオが集まるため、1冊当たりの所要時間は短いです。
そのため、20~25ページ前後で簡潔に伝えるのがベストです。

『ち』:違いが明確に伝わる
応募企業のテイストに合わせたイラストを用意したりページの並びをアレンジすることです。
企業によって作品のテイストや世界観が異なります。ベストマッチした作品を用意することで『即戦力』をアピールすることができます!

逆に応募する企業と合っていない作品を提出してしまうと、活用することができず、スキルが有っても泣く泣く不採用…ということになってしまいます。

『つ』:作りたいものが見える
得意なもの、好きなもの、仕事で作りたいものを伝えることです。

担当者はポートフォリオを見て、応募者の適材適所を見極めます。
得意なもの・好きなものが明確だと、どんな仕事を任せるかをイメージしやすくなります。


『て』:手に取りやすい
ポートフォリオは相手が見やすいことが大前提です。

  • 印 刷 → 収納もしやすいA4サイズ
  • データ → ならPCのスペックに左右されず閲覧できるPDF形式

逆にパンチを残そうと特大のファイルを提出したり、PSDデータをそのまま送ったり・・・などは、見る側にとって親切とはいえません。

『と』:整っている
レイアウトのことです。ちょっとしたひと工夫を加えることで、ポートフォリオの見栄えは劇的に変わります。
例えば以下の点。

  • 1ページあたりの点数は、1~2点。
  • 文字は最低限の記載事項に絞ってスッキリと。

こんな感じ。
この中で特に重要なのが『ち』『つ』

イラストレーターは『相手が求めるイラストを提供する』職業です。

くろつき。
くろつき。
『自分が好きなイラスト』ではなく、『相手が求めるイラスト』を。

『相手が求めるイラスト』を提供できることを示しつつ、『自分の強み』をアピールすることが本質です。

未経験の場合は『総合力』で勝負するのが近道

いぬし。
いぬし。
オーケー、原則は解った。次は未経験でも採用されるポートフォリオの具体例をくれ!!

未経験で初めて業界を目指す場合は特に、『総合力』で勝負する!
です。

  • 現場ではどんなイラストが求められているのか?
  • ゲームではどんなイラストが使われているか?

上記から逆算していきます。

ゲームイラストに携わるイラストレーターは多くのモチーフを描くスキルが重視されるので、上記のうち最低でも3つは欲しいところ。

上記のジャンルはあくまで大きな区分です。
(例えばレア度によっても描き味は異なりますし、1つのキャラに対して複数案提案することも日常茶飯事です…汗)

総合力と一点火力の図解早い話が、総合火力で制すのか、圧倒的火力のソロで殴り倒すのかー

未経験で初めて業界を目指す場合は、『総合力』で勝負するオールラウンダーの方が圧倒的に狙いやすいです。

ここでいう『総合力』とは・・・

 ⇒ 描けるバリエーションの幅を示すこと

 ⇒ 配属先の選択肢の幅を示すこと

一方、『一点火力型』のポートフォリオはかなり上級者向けといえます。
なぜなら『一点火力型』で挑む場合、相応のスキルや実績を示すことが要求されるからです。

例えば、

  • 有名タイトルのキャラクターデザインを手掛けた
  • そのジャンルでは知らない人がいないレベルの神絵師

といった具合ですね。

『背景好きだから背景しか載せない』
『描きたいのは女の子なので他は載せない』  

といったスタイルを貫くのは、最初はリスキーといえます。

他の応募者を根こそぎ殴り倒し、採用担当者に、『この人は他の物は描けないけど、それでも手放すには惜しいな。』と言わしめる技術力と実績が必要…という訳です。

イラストレーターになり、1つでも仕事をしないことには実績は積めません。

そのためにまずは何でも幅広く描く。
遠いようで、これが『描きたいものを描ける』近道だったりします。

僕が実際に面接で受けた質問や応答で感じた所感ですが、おそらく下図のようなイメージです。面接時の所感の図勿論採用指針は各社によって異なるので、正確・厳密なものではないですが…


イラストレーターに採用される確率を1mmでも上げるため、できるだけ多くの手札を持っておく。
相手が求めているイラスト(需要)を把握し、そのイラストをポートフォリオで示す(供給)

未経験でイラストレーターを目指す場合は、オールラウンダーになることが最も近道な攻略法と感じます。

ポートフォリオに載せるべきイラスト5選

僕がイラストレーターとして内定を頂くまでに掛かった期間はおおよそ半年でしたが、最初の3ヶ月は鳴かず飛ばずでした…(地獄とはこのこと)

そこで作品数やモチーフの幅を増やしてポートフォリオを改善していき、4ヶ月目あたりから少しずつ通過率が上がってきました。

ここでは僕が、最終的に未経験で5社から内定を頂いた際のポートフォリオを実例として、イラストの構成内容について解説します。

くろつき。
くろつき。
少しでもヒントになれば幸いです…!

POINT

  1. キャラクター
  2. モンスター
  3. 背景、背景付き1枚絵
  4. アイテム・武器
  5. ラフ、線画、スケッチなど

◆◆◆◆◆

①キャラクター

キャラクターやモンスターは、どんな作品においてもメインを飾る重要な要素です。
当然ここを外す手はありません。

キャラクターにおけるポイントは、

  • 幅広くデザインできることを示す。
  • 自分の得意なイラストのテイストを示す。
  • 画面映えする装飾やエフェクトのデザインができることをを示す。

以上3点です。

僕はファンタジーゲームのイラストレーター志望でしたので、実際のファンタジーゲームを想定したイラストを作成しました。

ファンタジーゲーム(厚塗り)の一例 ファンタジーゲーム(アニメ塗り)の一例

ファンタジーゲームといっても、例えば塗りのテイストは様々。
複数の異なるテイストの作品を運営している会社も少なくありませんし、当然新規開発もあります。
そこで、最低でも2つ以上のテイストがあれば強いです。ぜひ複数のテイストを盛り込むことを推奨します。
(複数テイストがあれば応募先の選択肢も広がる。)


一方、2Dのキャラクターデザイナーは、数あるイラストレーター職の中でもずば抜けた人気があります。
……そのため厳しい話ですが、一芸だけでは中々難しいという現実があります…。

そこで有効になってくるのが、キャラクターの描き分け

 ⇒かわいい女の子キャラが出てくる作品、

 ⇒カッコいい男性キャラが出てくる作品、

 ⇒渋いおじさまキャラが出てくる作品・・・etc

幅広いキャラを描けることをアピールすることで、起用されるチャンスがUPします。

くろつき。
くろつき。
例えば意外な盲点が、カッコいいおじさま&お爺さんキャラです

カッコいいおじ様キャラの例図

↑2枚目は、パイレーツオブカリビアンのバルボッサ船長のファンアートです。
単にファンアートを描くだけではなく、志望先のテイストに寄せたイラストに仕上げてみました。

歴戦の経験を基に主人公をサポートするおじさまキャラが登場する作品は多いです。
かわいい美少女キャラは全員が描いてくると言っても過言ではないので、
上記のような変化球を盛り込むことで引き出しの多さを示す感じです。

②モンスター

続いて、モンスターのイラスト。モンスターも作品を代表する重要な要素です。
ポイントは2つ。

  1. モンスターの設定が明確になっている
  2. レアリティごとの描き分けができている

❶:モンスターの設定が明確になっている

  • 冒険をガイドしてくれるマスコット的なモンスター
  • 主人公が召喚するモンスター
  • ボスとして現れるモンスター
    ……etc

というように、自分の中で設定を考えた上でデザインすると良いでしょう。
例えば下図のような感じです。

モンスターのコンセプトを決めて描く

続いて2つ目。

❷:レアリティごとの描き分けができている

レア度に合わせて描き込みの差を作ろう!
メインとなる高レアリティモンスターとノーマルのモンスターとで、振り幅をできるだけ大きくすると良いでしょう。

あくまでも同じ世界観上のモンスターであることを意識して、塗りのテイストも合わせました。

1つの作品を想定して、同じ世界に登場するモンスターという設定でデザインすることで、世界観の設定力も示すことができます。
統一感のあるまとまったポートフォリオになります。

③背景背景付き1枚絵

背景付きのカード系イラスト、ゲーム内の背景、イベント用のスチルイラスト、設定資料・・・etcと、背景イラストは多くの場面で使用されます。

  • カードイラスト
  • 1枚絵としての背景
  • コンセプトアート

等、何に使われる背景イラストなのかをしっかり想定して、複数のパターンを描きます。

  • カードイラスト(キャラ)
カードイラストの一例(キャラ)
  • カードイラスト(モンスター)
カードイラストの一例(モンスター)
  • 1枚絵としての背景
    (こちらは、もし今就活するならという想定で2019年に描いたイラストです。)
背景イラストの例
  • コンセプトアート
    (こちらは、もし今就活するならという想定で2019~2020年に描いたイラストです。)
コンセプトアート例1コンセプトアート例2

◆◆◆◆◆

背景はキャラクターに比べて描き手が少ないため、おいしいのポジションといえます。

くろつき。
くろつき。
1社目にいた複数のゲーム会社からイラスト制作を受託するデザイン会社でも背景描きは重宝されてました。

背景イラストが存在しないゲームはほぼ無いと言っても過言ではないくらい、作品にとって重要な要素。

背景は難しいイメージもありますが、最近では『フォトバッシュ』という写真素材を下地にして制作する技法も有名になってきています。
元々海外のコンセプトアート市場で用いられていた技法です。)

もしこれから背景も描いてみたいという方がいらっしゃいましたら、こちらの記事もご参考までに!

写真を使って背景を描く方法
写真を使って背景を描く方法【1年で背景の仕事ができた理由】 という事で今回は、写真素材を用いて手軽に背景を描く方法をまとめました。 こんな方におすすめ 背景が描けないと悩...

④アイテム・武器など

キャラやモンスター、背景とあわせてゲームの世界に欠かせないのがアイテム・武器。
例えばゲームの中には、ガチャで強力かつレアな武器を集め、育成・強化していくという要素を含む作品もあります。

キャラやモンスターと同様に、作品の世界観を構築する重要な要素といえます。

アイテムのイラストの一例
アイテム・武器イラストについてもできるだけ世界観を統一させてデザインします。

少しマニアックなテクニックにはなりますが、
『ポートフォリオ全体を一つの作品として捉え、世界観を構築する力』を見せる。

というのが有ります。

  • ポートフォリオという一つの作品の世界観・テイストに統一感が有るか。
  • 自身の得意なテイスト・世界観を意識して昇華させられているか。

も一つの評価ポイント。
1つのテーマ・世界観を構築しつつ、モチーフを描き分けることで、一貫性のあるポートフォリオを作ることができる訳です。

くろつき。
くろつき。
ポートフォリオの『つ』 作りたいものが分かるの項目ですね!

自分は『どんな作品を作りたいのか』という軸がしっかり示されていて、かつ自身のテイストにマッチした企業に応募する場合、大きな効果を発揮するハズです。

⑤スケッチ&デッサン

ポイントは、

  • 基礎画力を示す。
  • メインのイラストが確かな画力に裏付けされていることを示す。
  • メインのイラストに合わせたスケッチを用意する。

の3点です。
志望職種に合わせたスケッチを載せると効果抜群です。

僕は2Dキャラクターデザイナー職が第一志望だったため、キャラクターのポーズスケッチや人体スケッチを掲載しました。

キャラクターデザイナーを目指す以上、正しく体を描けることは必須条件です。
ゲームのキャラクターは特に多種多様なポーズをしており、画面映えする躍動感あふれるポーズを描くスキルが求められます。

ポーズスケッチの一例1 ポーズスケッチの一例2 ポーズスケッチの一例3

そのため、正面・背面・立ち・座り・フカン構図・アオリ構図…etcと、多様なポーズ描写ができることをアピールできるといいでしょう。

◆◆◆◆◆

続いて表情スケッチです。
顔はキャラクターイラストにおいて最も目を惹く核とも言える部分です。

キャラクターは老若男女・幅広い年齢層を描き分けられるスキルを示すことが重要と、先の項目にてお伝えしました。

そこで老若男女の様々な喜怒哀楽の表情も掲載しました。

表情スケッチ1 表情スケッチ2

さらに表情と一口に言っても感情の強弱があります。
例えば”怒”の場合、『強い怒り』『イライラ程度』といった具合に、強弱の幅も描き分けられていればなおGOODです。

デッサンといえば、石膏やモチーフの静物画を載せる方は多いでしょう。
そこに+α!
より現場で求められる即戦力を想定したクロッキーを載せるのは非常に効果的です。

くろつき。
くろつき。
ぶっちゃけた話をすると、メインのカラーイラストより、クロッキーページの方を評価してくださる担当者の方もいました。 

未経験の場合、『総合力』で勝負しよう!

くろつき。
くろつき。
未経験の場合は『総合力』で攻める!

お仕事を取れるか否かはポートフォリオのクオリティが左右します。

紹介した『たちつてとの法則』を意識すること、そして『5つのジャンル』を載せることで、未経験でも採用されるポートフォリオを制作することができます!

『たちつてと』の法則

  •  短時間で読める
      (⇒
    ページ数、作品数)

  •  違いが明確に伝わる
      (⇒ 企業への志望度)

  •  作りたいものが見える
        (⇒ 得意分野や熱意、将来性)

  •  手に取りやすい
  •  整っている
     (
    ⇒ 形式やレイアウト)

ポートフォリオに載せるべき5つのジャンル

  1. キャラクター
  2. モンスター
  3. 背景/背景付き1枚絵
  4. アイテム・武器
  5. ラフ、線画、スケッチなど

「ポートフォリオの作り方が分からない・・・」悩んでいる方にとって、少しでも参考になれれば幸いです。

↓ポートフォリオの作成手順についてもまとめてみました。併せてご参考になりますと幸いです!

 

また、Twitterでもイラストの解説・メイキングを呟いたり、イラストやポートフォリオに関する質問・相談などを受け付けてます!もしよければ覗いてやってください~くろつきTwitterプロフィール