ということで今回、僕がはじめて絵の仕事を貰った当時のポートフォリオを発掘しました。
僕が本業イラストレーターになるまでの経緯を簡単に説明すると……、
僕がはじめて絵の仕事を頂いたのは2016年10月で、その時は本業で事務職をしながら、副業としてイラストの受託制作を行っていました。
その後、2017年3月末くらいから本格的に就職を想定したポートフォリオの制作を始め、半年後にイラストを本業にできました。
◆ちなみに就職した際の最終的なポートフォリオや、未経験でも採用させるポートフォリオのコツについては下の記事で紹介してます。

今回の記事は、知人に『最終的なポートフォリオじゃ参考になんねぇよ;最初の仕事を貰った時の目安を教えておくれ』という要望を貰ったので書くことにしました。
こんな方におすすめ
- これから未経験でゲームのイラストレーターを目指す人
- はじめてポートフォリオを作っている人
本記事の内容
- 僕がはじめて作ったポートフォリオ
- どうやって最初の仕事を貰ったか?(後程追記します)
あくまで当時の僕の事例にはなりますが、はじめてイラストの仕事を貰ったときのひとつの目安程度に参考にして頂ければ幸いです!
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僕がはじめて作ったポートフォリオ
- 作品枚数:19枚
- 作品の制作期間:6ヶ月
載せたイラストのジャンルごとに紹介していきます。
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①キャラクター立ち絵
ソーシャルゲームを想定して、エフェクトやビネット背景が付いた立ち絵を制作しました。

当時制作時に意識したポイントとしては、
- ポーズ差分や背景差分を描く
- キャラの設定を決める
- メインカラーを決めて見栄えを良くする
です。
②背景付きキャラクター
キャラクターに背景を描いて、カードイラスト風に仕上げました。
カードイラストでは大抵の場合差分が存在するので、色差分を作りました。

〈もしこの絵を今描き直すとすると〉
差分といっても単なる色差分だけでポーズも同じ状態です。
なので…、
- ポーズを反転させる
- 進化する毎に衣装や装飾も変化させる
などするとなお良きですね。
③オリジナル1枚絵
続いて普段描いていた個人制作のイラストも掲載していました。

単にオリジナルイラストを載せるだけではイラストブックになってしまうので、途中工程もあわせて掲載することで、ラフや線画の技術を示すと良いと思います。
☞ 担当者の方に、任せられる業務の幅をしっかりと伝えることもポートフォリオの重要な役割です。
純粋な個人制作は、それ単体をポンと載せるだけでは少し訴求力に欠けます。
ですので、架空のオリジナル作品を発表するイメージで設定を作り込むことで、絵の技術だけでなく、一つの世界観を構築する能力を示すポートフォリオになります。
★ちなみに世界観構築の例として、最近作ったポートフォリオの一部を載せます。↓
メインビジュアル、キャラ設定の他に、実際のキャプチャ画面やタイトルロゴを追加してもいいかもしれませんね。
上のポートフォリオもまだまだパワーアップできそうです!
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その他載せたオリジナル作品。↓
③ファンアート
普段Pixivなどに掲載していたファンアートも数枚掲載しました。

二次創作絵を載せる場合のアドバイス!
今だからこそ言えますが、当時載せた上記の二次創作絵……アピールとしては少し足りません。
理由は、キャラ似せしきれてない……つまり自分の画風で描いてしまっている点。
改善点は、ゲーム内での二次絵の用途に着目することです。
ゲームの場合、二次絵の用途としては、
- 原作をゲーム化するIP案件
☞ 原作通りに似せて描く技術 - コラボ
☞ 原作の特徴を踏まえつつそのゲームの絵柄に合わせる技術
などが求められます。
つまり二次創作絵を載せるなら、実際のゲーム内での使用を想定して描くことで、訴求力が格段に上がります。
(ゲームに合わせて二次創作絵を描いた一例↓)
「ファンタジーゲームにコラボキャラとして登場した例」という想定で描きました。
④その他スケッチなど
イメージスケッチやラフスケッチなども数点載せてました。
僕は働きながら夜間の専門学校に通っていましたが、その時に描いたデッサンも掲載しました。(↑ まぁ、当時はイラストの枚数が少なくて載せてましたが、多分このレベルのデッサンなら載せない方がいいかもしれない…。)
『デッサン=必ず載せなければいけないもの』的なイメージも有るかもですがそんなことは決してありません。
社内で決裁権を持つ世代の方だと、今よりもはるかに難易度が高かった時代の美大出身の方もいます。
その場合、中途半端なレベルのデッサンを載せると逆にマイナス評価になる……なんていう話も聞きます。
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スケッチを載せる上でのポイントは、
- 基礎画力を示す。
- メインのイラストが確かな画力に裏付けされていることを示す。
- メインのイラストに合わせたスケッチを用意する。
の3点です。
ですので、仮に2Dキャラクターデザイナーを志望する場合は、キャラクターのポーズスケッチや人体スケッチを掲載するのがいいでしょう。
★後に就活した際に載せたスケッチの一例です。↓
未経験の場合、『描ける幅』で勝負しよう!
ゲームイラストに限った話をしても、キャラ・モンスター・背景・武器・アイテム・アイコン…etcと非常に多くのイラストが使われます。
ですので、多くのイラストを描き分けられる技術を示すことで、お仕事獲得のチャンスは格段に上がります。
(キャラクターイラストの人気は非常に高く、イラストレーターを目指す多くの人が狙っています。それだけ競争率が高いです…。)
そしてイラストのお仕事は、技術も勿論ですが、商業実績のある/なしも大きな要素となります。
(やはり業界内で一度仕事をして実績ができるとその後が強いです。)
- まずは何でも描いて、志望業界のお仕事の実績を作る。
- 実績を少しずつ積んで、最終的に希望するイラストのお仕事を獲得できるようにする。
未経験ではじめてイラストのお仕事を獲得する最も手堅い方法です。
◆◆◆◆◆
今回載せたポートフォリオはあくまで当時の僕の一例です。
このレベルが描けると確実にお仕事が貰える!というものでもありませんが、一つの目安として参考になりますと幸いです。
「未経験でもイラストの仕事を取れるポートフォリオを作りたい!」という方に向けて、ポートフォリオのコツや作り方の手順をより詳しくまとめた記事も書いてみました。


当時未経験・中途でゲーム業界を目指した際、何度も書類選考で門前払い、提出後音信不通の不採用を繰り返し…、その度に少しずつポートフォリオを改善していきました。
最終的に5社から内定を貰うまでの工夫や実例を書いてみましたので、こちらもあわせてポートフォリオ制作のヒントになりますと幸いです!
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